高齢者向けオンライン健康づくりシステムの共同実証研究

高齢者向けオンライン健康づくりシステムの共同実証研究

双方向型の持続可能なオンライン・コミュニティーを構築

実証研究の概要

新型コロナウイルス感染症拡大による活動自粛が続き、高齢者の社会的交流や健康づくり活動が制限されており、健康への悪影響が懸念されています。このような状況から、公益財団法人 明治安田厚生事業団(本部:東京都新宿区、理事長:中熊 一仁)、八王子保健生活協同組合(東京都八王子市、理事長:杉本 淳)、公益社団法人 日本エアロビック連盟(東京都品川区、理事長:知念 かおる) 、株式会社 電通総研(本社:東京都港区、代表取締役社長:名和 亮一 )の4者連携で、コロナ禍における新生活様式をふまえた高齢者の健康づくりに向け、オンライン型健康づくりシステムの開発とその実証研究を実施しています。
本研究は、新生活様式下における高齢者の健康づくりの方法を開発することを目的として、オンライン型健康づくりシステムを考案・開発し、運動プログラムを提供するとともに、その活動継続のための支援体制を構築することで、高齢者が誰でも参加できる健康づくり活動を支援しています。また、その効果について、短期的には対象者の健康に関する意識・行動・習慣、認知機能や脳活動および生活機能に対する影響、中・長期的には生活状況・健康状態(各種疾患の有病率、抑うつ度、主観的健康感、生活満足度など)の変化を調査しています。さらに、将来的には要介護と認知症の発生率および医療費と介護費への影響などを検証する計画です。

実証研究の特長

◎ 高齢者を対象とした新しい生活様式における健康づくりの方法;オンライン型健康づくりシステムの開発と効果検証
◎ 双方向型のオンラインコミュニケーションシステムを使って、持続可能なオンライン・コミュニティーを構築する試み
◎ 運動中の心拍数をオンライン上で集中管理できるアプリを開発し、研究スタッフが高齢者の安全管理を徹底

本研究最大の特徴は、双方向型のオンラインコミュニケーションシステムを使い、多様な社会参加活動を実現する持続可能なオンライン・コミュニティーを構築することです。運動プログラムの提供にあたり、電通総研が開発した高齢者向け安全管理アプリを活用することにより、運動前の体調や血圧を事前にチェックしたうえで、運動中の心拍数を研究スタッフがオンライン上で集中管理することが可能になりました。このように安全管理とオンライン・コミュニティーによる高齢者の健康づくりを同時に実現します。
本研究は、今後のコロナ禍における健康づくりのイノベーションとして重要なステップとなることが期待されます。また開発されたオンライン・コミュニティーは、高齢者向けサークル活動等、健康づくり以外の社会参加プログラム運営に応用できると考えています。

トライアル結果と今後

16名の参加者を対象にトライアルを実施し、期間中の平日朝8時30分から参加者は当システムを活用して、ほぼ毎日、運動を実施しました。運動教室中はインストラクターと参加者、参加者同士でやり取りする姿が目立ち、参加者からは早くも「コロナ禍にもかかわらず運動できる機会があるのはありがたい」、「運動教室中にみんなの顔が見られるのは画期的」、「毎日同じ時間に運動をすることで生活スタイルにリズムができ、良い影響を実感している」、「肩の痛みがなくなって腕が上がるようになった」といった好意的な意見が得られています。
2022年3月末までには認知機能等への効果を検証するため、トライアルの結果を受け、全体の仕組みを修正したうえで、対象者を数百名規模に拡大し実験を行う予定です。さらに、数年単位で仕組みを整備していき、最終的には対象地域である八王子市に居住する高齢者であれば、誰でも日常的に参加できるような仕組みの構築を目指しています。

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高齢者向けオンライン健康づくりシステムの共同実証研究について

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